残留塩素が注意信号!〔1〕

残留塩素測定が注意信号の場合の対策〔Part 1〕

残留塩素を測定した結果、残留塩素が全く検出されないとか、規定値未満の含有率しか認められないという注意信号であった場合は念のために再度測定してください。

ここでは二つのケースに大別して考えてみます。

測定の結果、各階いずれの給水栓においても残留塩素が検出されない、または測定値未満しか認められないなど、注意信号が一致している場合です。

この場合の原因は塩素注入量が不足しているか、受水槽または高置水槽などの給水タンクといった貯水槽で水が汚染されていると判断できます。

先ずは塩素注入量が不足していると疑って、塩素滅菌装置の薬液槽における次亜塩素酸ナトリウム溶液の残量が通常より多いかどうかを確認します。

残量が多い場合は注入量の不足を意味しているので、塩素滅菌器の逆流止めの作動状況を点検して注入量不測の原因を確認したうえ是正しましょう。

そして塩素注入量が十分で、注入量不足ではないことが確認された場合は、原因は貯水槽での水の汚染にあると判断できます。

このの原因は貯水槽に関連するクロスコネクションやバックフローによる雨水の浸入が考えられますが、実はこのケースは極めて少ないのです。

意外と多いのが、なんと驚くなかれ受水槽や給水槽タンク内に鳩やカラス、スズメといった鳥類、あるいはネズミや猫などの溺死体が腐乱していたり魚が生息しているケースです。

なぜ、このよな事態が生じるのでしょうか。これは貯水槽のマンホ-ルの蓋を係員以外は開けられないように蓋に施錠をするという基本的な決まりを守らないためです。

特に屋上設置の給水タンクやビル横の給水槽など、いわゆる屋外設置のものでは、蓋に施錠をしていないと強風などで蓋が開いてしまい、マンホールから鳥などが侵入して溺死、腐乱して、水が汚染されます。

そして蓋が開けられた状態にしておくと、槽内に太陽光が照射されて紫外線によって塩素が異常消費されます。

また、光合成作用によって水中植物である藻類が成長し、水質汚染につながります。

貯水槽点検の結果、このよな事態であれば当然貯水槽の清掃や消毒を実施しなければなりません。

残留塩素想定の結果が注意信号の場合は、その原因を究明して是正措置がとられるまで必ず毎日残留塩素の測定を実施しなければなりません。

-衛生設備の基礎知識