残留塩素測定が注意信号の場合の対策〔Part 2〕
注意信号の場合でも残留塩素の測定結果が場所によって異なる場合があります。
例えば、地上1階の端末給水栓においては残留塩素が全く検出されず、地下の階の給水栓においては規定値未満。
また、3階以上の各階の給水栓では規定値以上の残留塩素が確認されるといった状況です。
あるいは、同じ箇所の給水栓でも最初の測定では残留塩素が規定値未満なのに2時間後に測定すると規定値以上に残留塩素が検出されて異常なし。
念のために2時間後に再び測定すると今度は全く検出されないといったように、測定する時間によって変動やバラツキが生じる場合があります。
これは給水設備のいずれかの箇所でクロスコネクションやバックフローによって汚水などが侵入し、汚染されていると判断できます。
前者の場合、各階および1階への吸水系統のいずれかで汚水の侵入があると判断でき、
この吸水系統のみについてクロスコネクションやバックフローが生じている箇所を探し出して、そこを是正すれば良いわけです。
クロスコネクションは混交配管とも言い、上水(飲料水)配管と水洗便所洗浄水用やボイラー用、空調用など、雑用水としての井水配管とがバルブを介して直接接続されている場合です。
あるいは、いったん吐き出された排水が間接的に接続された状態になり、給水管内へ逆流して混合する場合もあります。
前者を直接クロスコネクション、後者を間接コネクション。正式にはバックフロー(逆流)と言います。
クロスコネクションは給排水や衛生設備の分野では絶対にしてはならない禁止事項です。
直接コネクションは法令上も禁止されていますが、担当者がクロスコネクションと気付かずにこのような工事をしている例をよく見かけるのが現実です。
バックフローが生じないように洗面器などの衛生器具でも、法令上規制されていても気付かない間にバックフローが生じることがよくあります。
特に給水栓にゴムホースなどを接続して器具に水を張って使用するときに、給水設備で断水などが生じると吸水管側が負圧(真空)になるため、
水使用機器内の汚水がゴムホースを介して逆サイホン作用を起こし、吸水管側へ逆流して汚染されるわけです。