高置水槽の点検での特記事項
高地水槽も受水槽と同じような構造で、かつFRP製が大部分であり、その内外部分の点検要領や対策もほぼ同じです。
両者が大きく異なる点は、水位制御装置として受水槽はボールタップを用いるのに対し、高置水槽では主に電極棒式水位制御装置が用いられることです。
また、これとフロートスイッチを併用することもあります。
電極棒式水位制御装置は電極棒(ステンレス棒)を水位センサーとしています。
タンク内の水面が所定の低水位まで低下した時点で揚水ポンプを駆動させ、受水槽より揚水します。
所定の高水位まで水面が上昇するとポンプを停止させて揚水停止という具合にオン・オフ制御するもので、満減水警報を発することもできます。
この点検のポイントは、槽内点検のときに水面下中の電極棒に水垢などの異物が付着しているか否かです。
もし付着していたら、その程度を確認することです。
不純物がある程度付着すると電極棒が電気絶縁された状態になり、水位が検出できずに水位制御が悪化したり不能となります。
このため、不純物の付着が認められたときは、電源を切って電極棒を抜き取り、付着している不純物をウエスで拭き取ります。
固着している場合はサンドペーパーで磨いて除去します。
給水タンクの天井部より挿入する状態で装着されているので、外部から簡単に取り外しが可能です。
この他のトラブルとしては、電極棒の脱落、電線の断線、端子の外れなどがあります。
フロートスイッチは水面の変動に伴うフロートの変位によって揚水ポンプをオン・オフさせ、かつ満減水警報を発するものです。
最後に、フロートスイッチについては以下の要領を点検しましょう。
1 | フロート用のロッド(棒)を手またはフック棒で上下させ、所定の水位で揚水ポンプがオン・オフ、そして満水や減水の警報を発して正しく作動するか。 |
2 | ロッドが曲がっていないか。 |
3 | ロッドの振れどめに異状がないか。 |
4 | フロート止めが所定の位置にあるか。 |
5 | フロートがロッドに沿って滑らかに動くか。 |
6 | フロートが腐食による水の侵食で浮力を失っていないか。 |
7 | フロートスイッチの接点に虫などが挟まっていないか。 |
8 | 電線の切れかかっている箇所がないか。 |
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