こんにちは。衛生設備・給水排水設備・水処理設備の清掃・点検・工事を行う、東京都葛飾区のゼンシン株式会社です。
今回は、フランジのガスケットの正しい取り扱いについてお話しさせていただきます。
配管や機器内の流体の漏れ防止や、外部からの異物の侵入を防止するために用いられる装置を一般的には密封装置または「シール」と呼びます。
そして、「ガスケット」とは、構造に気密性、液密性を持たせるために用いる固定用シール材です。圧力容器や管などの固定した接合面で挟んで、ボルトの締め付けによって流体の漏れを防ぐものです。
この固定用シール材に対して、ポンプなどの回転や往復運動の運動部分の密封に用いるシールを運動用シール材と言い、一般的に「パッキン」と呼ばれています。
このことから、配管用フランジのシールには、固定用シール材であるガスケットを使用する訳ですが、基本的には
①硬質ゴム板製などの非金属ガスケット
②薄い銅板製などの金属ガスケット
③金属材料と非金属材料を組み合わせて作ったセミメタリックガスケット
に大別されます。
ビルの配管などに使用するガスケットには非金属ガスケットを使いますが、これも様々な種類があります。
ガスケットは密封する流体の種類や温度、圧力などによって、それに適した材料のものを使用しなければなりません。
給水・給湯の配管では、通常ゴム質のガスケットが使われます。
一般的なゴム質のガスケットシートの厚さは0.6〜6.5mmですが、この場合のガスケットは、暑さ1〜1.5mmの薄いものを使用しましょう。薄いの方が締め付けの圧力が少なく、均一に締め付けやすくなります。
しかし、フランジの接触面の平面度の状態が悪い場合、フランジの平面座に傷がついていたり、ひずみが生じている場合などは、少し厚めのものを使用しましょう。
配管のフランジガスケットは、フランジ座の形状によって全面に施す場合とボルト面よりも内側にだけ施す場合に大別できますが、いずれにしましても現場で採寸して板状のものから所定の形状に切り出して作成します。
この時、フランジ全面に当てがう全面座はボルト穴によく合わせて、所定の穴あけ工具で綺麗に打ち向くことが重要です。
ボルト面よりも内側だけに当てがう部分平面座はガスケットの横滑りを防ぐため、各ボルト穴の内側に接触するよう正確な寸法の真円にします。
そして両者ともガスケットの締め付け圧力ではみ出す分、流体の動きを妨害することになるので、内径を作る時は少し大きめにすることがポイントです。
なお、内径やボルト穴の採寸と切り抜きを同時に行う場合、フランジにガスケット板材を当てて内径面やボルト穴部をハンマーで叩き、いわゆる「型取り」をすることもありますが、この方法はガスケットの材質が不均一となったり、フランジを傷つけることになるので、できれば避けたい方法です。
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