フランジの正い外し方

こんにちは。建物の衛生設備や給水・排水設備の工事、メンテナンス、点検、清掃を行う、東京都葛飾区のゼンシン株式会社です。

ねじ込み式の結合部に漏れが発生したり、バルブを交換しなければならないときなど、配管系に異常が生じた場合は、先ずはフランジ結合部の取り外し作業から始めなければなりません。

取り外し作業は、フランジ同士を締め付けているボルトのナットを緩めてボルトを取り外しますが、そのボルトに適合した工具を用いることが大切です。通常、ナットまたはボルトの口幅(ナットの径)合ったスパナまたはモンキーレンチを使用します。

スパナの場合は口幅に応じて適当な長さで作られていますが、モンキーレンチの場合は適合するサイズを知るのにある程度の経験が必要です。一般にボルトの径が16ミリでは柄の長さは300ミリ。経が19ミリでは450ミリ。径が22ミリでは600ミリ。径が25ミリでは750ミリが適当とされています。

ナットを緩める場合、ボルトのねじ山部が錆などで固まっているため、モンキーレンチの柄に長いパイプを差し込んで継柄して緩めようとする人がいます。しかし、この方法はナットに歪みを生じたり、ボルトを切断してしまう危険性があります。

ナットがボルトに固着している場合には、大小2つのハンマーを用います。大のハンマーをナットの角へ強く押し付けて対角線側の角を小のハンマーで叩き、数回ずつ場所を変えて叩くと固着がほぐれ所定のスパナなどで緩めることができます。

ナットを緩めたり外したりする場合は、隣り合うボルトを順に外していくとフランジやボルトに無理な応力が掛かるので、向かい合っているナットを互いに徐々に緩めていくようにします。

この方法は反対に締め付ける場合も配慮が必要です。

隣り合うボルトを順に締め付けていくと片締めとなり、フランジやボルトに無理な応力が生じ、また最初や最後に締めたナットが緩むことが多く、事故の原因になります。

そしてナットを締め付ける場合もスパナなど継柄して行うとボルトの許容応力を超えて破損することになりかねません。フランジの結合部の取り外しには十分な注意が必要です。

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