設備の故障と耐用寿命の話し
どんな設備機器でも、
調査→研究→設計→製造→設置→運転→保全→廃棄
という過程でその一生涯を終えますが、設置してから廃棄するまでの間に必ずと言ってよいほど故障します。
故障とはJIS規格によれば
「ある品目が予め規定されている限界内において性能を発揮できないこと。あるいは要求された機能を遂行する機能単位の能力が無くなること。」と示されています。
故障した場合は、故障した部品または損傷を受けた部分を交換したり修理を施すことによって機能が正常に回復するわけです。
そして、この故障とは統計上から
初期故障、
偶発故障、
摩耗故障
に分けられます。
初期故障
使用開始後の比較的早い時期に設計・製造の欠点、使用環境の不適合、不適切な使い方などによる故障を言います。
そしてアイテムを運用する初期において故障率が急激に減少し、アイテムの一団の故障率が低下すると予測できるまでの期間を初期故障期間と言います。
例えば法定耐用年数が15年の設備機器では一般に1〜2年間とされ、働年期とされています。
偶発故障
機器が初期故障期間を過ぎて摩耗故障期間に至る以前の時期で、摩耗、設計不良または異常な応力に起因するとは考えられず、そいの発生が予測できない故障を言います。
偶発故障は確率上または統計上においてのみ予測できるわけです。
そして偶発故障が起こる初期故障期間と摩耗故障期間の中間部分を偶発故障期間と言います。
平均するとこの期間に静止機器では一回、可動機器では2回、偶発故障を起こし部品交換を要すると言われています。
また偶発故障期間は10〜11年となっていて、この期間を俗に青壮年期と言います。
摩耗故障
偶発故障期間を過ぎ機器が疲労・磨耗・老化現象などいわゆる劣化により、時間と共に故障率が大きくなる故障を言います。
この時期を摩耗故障期間と言い、老年期とも俗称されます。
そして摩耗故障期間に入って1〜2年目、つまり
初期故障期間1〜2年+偶発故障期間10〜11年+摩耗故障期間1〜2年の合計15年間が
法定耐用年数、いわゆる耐用寿命とされます。
設備機器の一生涯は人間の一生とよく似ていますね。