ビルの水はビル側の責任

ビルの上水はビル側に
衛生的水質維持の義務がある

飲料水は生活上必要不可欠なものです。
原則として地方自治体、または公共団体による水道事業者によって供給される水道水、俗にいう上水を飲料水として利用しています。

水道水は
①衛生的に安全な水量の確保
②需要を満足させるための水量の確保
③水圧の保持
の3条件を満たす必要があります。これは水道法により規制されています。

ビルにおいても水道事業者から供給される水道水を飲料水として利用します。ビルの受水槽に受け入れた後の水道水(上水)の水質、水量、水圧などは全てビル側の責任で維持管理する必要があります。

当該ビルが特定建築物に該当する場合は、「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」により、ビル内の上水の維持管理が義務づけられます。

特定建築物に該当しないビルでは簡易専用水道となり、水道法によりビル内の上水の維持管理が義務付けられています。

いずれにしても、いったん受水槽に入った水道水(上水)に関しては、水道事業者の責任から離れてしまうのです。

ビル内の上水の水質、水量、水圧などを常に適正に維持するためには、上水の消毒、水質測定や分析のほか、受水槽や給水槽(高置水槽)、揚水ポンプ、揚水管など、一連の給水設備を含めて、給排水・衛生設備の維持管理、運用を適切に行わなければなりません。

水道水の水質は、水道法により基本的には
①病原生物に汚染、または汚染されたことを疑わせるような生物、もしくは物質を含まないこと
②シアン、水銀その他の有害物質を含まないこと
③銅、鉄、フッ素、フェノールその他の物質を、その許容量を超えて含まないこと
④異常な酸性またはアルカリ性を呈しないこと
⑤異常な臭味がないこと(ただし、消毒による臭味を除く)
⑥外見は殆ど無色透明であること
が必要です。

ビル内における上水もこの水質基準に適合するよう維持管理しなければならないのです。

なお、ミネラルウォーター類は水道法ではなく、食品衛生法に基づくものです。

-衛生設備の基礎知識